これまで3回にわたって主要通貨の相関係数を調べてきました。
今回は、この相関が実際のトレードでどのように有効に働くかを調べます。調査する対象は次の組み合わせです。
- ドル円/ユーロドル(逆相関大)
- ドル円/ポンドスイス(相関小)
※相関係数の算出対象期間は2003/3/13〜2006/3/10までの約3年間
それぞれ順番に見ていきます。
1.逆相関の大きい通貨を2つ持てば損益は相殺されやすくなる
ドル円/ユーロドルの相関係数は-0.83なので逆相関が大きいです。この2つを同時に保有するとそれぞれのレート変動は相殺される効果が高くなります。ポジションを単独で持つときと、2つを同時に持つときでどのような違いがあるかを表にしました。
いずれも2003/3/31に買い、2006/3/10まで持ち続けたときの3年間における最大含み益、最大含み損と3年間の受け取りスワップポイント合計です(以下全て円換算、スワップポイントは三菱商事フューチャーズの政策金利一覧表を基に計算)。
| 保持通貨 | 最大含み益 | 最大含み損 | スワップ益 | 通貨数 |
|---|---|---|---|---|
| ドル円のみ | \354,000 |
\1,542,000
|
\482,405 |
100,000 |
| ユーロドルのみ | \2,731,620 |
\482,641 |
\-19,532 |
100,000 |
| ドル円/ユーロドル | \709,174 |
\172,835 |
\231,436 |
50,000 + 50,000 |
ドル円のみの場合、最大含み損は約150万円。ユーロドルのみの場合、最大含み損は約50万円です。2つ同時に保持した場合、最大の含み損は大幅に減って約20万円となります。逆相関の大きい通貨を組み合わせることで、単独で保持するよりも含み損は大きく減ることがわかります。ただし、逆相関は相殺効果があるため含み益も減ることを表から読み取ってください。
2.相関の小さい通貨を2つ持てば損益のぶれは小さくなる
ドル円/ポンドスイスの相関係数は-0.24なので相関は小さいです。この場合はどうなるのでしょうか。上と同じ条件で表にしました。
| 保持通貨 | 最大含み益 | 最大含み損 | スワップ益 | 通貨数 |
|---|---|---|---|---|
| ドル円のみ | \354,000 |
\1,542,000
|
\482,405 |
100,000 |
| ポンドスイスのみ | \1,962,653 |
\447,061 |
\1,562,099 |
100,000 |
| ドル円/ポンドスイス | \779,375 |
\742,503 |
\1,022,252 |
50,000 + 50,000 |
単独で保持した場合の最大含み損は1のケースと似ていますが、2つ同時に保持した場合の最大含み損は約75万円です。ドル円を単独で保持するときよりも減り、ポンドスイス単独で保持するときよりも増えています。含み益についても同様です。相関の小さい通貨を組み合わせることで、単独で保持するときの損益が平均化されることがわかります。
さて、それでは相関の大きい通貨を2つ持つとどうなるのでしょうか?・・・・
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私は、ユーロクロスを中心に為替を張ってます。
大変参考になるデータ分析ありがとうございます。
今後、相互リンクお願いできないでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。
コメありがとうございます。リンクさせていただきました。
ユーロクロスで取引されているんですね。私も徐々に欧州通貨へシフトしていっています。
今後ともよろしくお願いします。
リスク分散の記事とても興味深かったです。ひとつ分からないことがあったので質問をさせていただきます。
『相関』の概念は理解ができるのですが、外貨建ての通貨(例:GBP/CHF)が含まれてくると、単純に該当通貨だけの相関だけで通用するのかな、と疑問を持ちました。
たとえば、USD/JPYとGBP/CHFで考えた場合、相関係数はそれぞれのレートの動きから導出されます。
しかし、実際には収益は『円』で考えるため、『CHF/JPY』の動きも無視できないはずだと考えています。
ボラティリティなどを考える場合、USD/JPYは最大で10000JPYの損益がありえる、GBP/CHFは100CHFの損益がありえると通貨が異なるはずです。その時に、CHF/JPYのレートによって総合の損益も変わってきます。
この辺りはどのようにお考えでしょうか。理解が間違っていたら、ご教示いただけると幸いです。
また、FX分析ツールも興味あるのですが、この辺りはどのように計算されているのでしょうか(上記のCHF/JPYを考慮しているのかどうか)。
USD/JPYやGBP/CHFを取引する時は通常レバレッジをかけて取引をします。
損益を円で評価するときはレバかかった為替取引ではなく換算です。
ご指摘の通りCHFの損益を、JPYで評価するときはCHF/JPYのレートで換算することになります。
このときはレバレッジ取引をしているわけではないので対円レート変化があっても影響は小さくなります。
なお、過去にも類似のご質問を受けたことがありますので
下記の記事もご参考までにご覧ください。
http://hayabu3.blog27.fc2.com/blog-entry-136.html
相関係数については、あくまでも通貨ペア同士の関係をみるためのものですので円に換算するという考えは取り入れていません。
やはり通貨ペア同士の関係だけであって、円換算は関係がないんですね。ずっともやもやしていた疑問だったので、スッキリとしました。ありがとうございました。過去に似た質問もあったんですね、そちらも読ませていただきました。
ロスカットのレベルを計算する時には少々厄介ですね。どのようにポジションを建てようか迷うところです。
FX分析ツールの利用も検討させていただきます。やはり少々高価なので、もう少し考えさせて下さい。自分でエクセルを使ってやると毎回結構な手間がかかるので、安い物かなとも思ってきています。
そうですね、関係がないというとちょっと語弊がありますが、円で評価する計算では、さほど影響がないと考えてよいと思います。
FX分析ツールの方は、知りたいときにすぐ調べられるのが便利なところで私自身よく使用しています。ゆっくりご検討いただければと思います。
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