スワップ運用において、通貨をひとつだけ持つのはリスクが高くなります。
このため、複数の通貨を複数つことにより、リスクを分散させ結果的に含み損の拡大を抑える方法があります。
ではどの通貨を持てばよいのでしょうか?同じような値動きをする通貨を持ってもあまりリスクの分散にはなりません。
通貨の動き方を知るには、相関係数が目安になります。為替通貨における相関係数とは、ある期間におけるふたつの通貨ペア(例えばドル円とユーロ円)の関係の強さのことです。数値の範囲は-1.0 〜 1.0で、1.0に近いほど相関性が強く、0の時には無相関となります。数値がマイナスのときは逆相関となり、-1.0に近いほどく逆相関が強いことを示します。
つまり相関係数とは、1に近いほどそっくりな動き。0に近いほど全く関係のない動き。-1に近いほど、そっくり反対の動きということですね。
今回は、クロス円通貨について相関係数を調べてみました。おまけでユーロドルもつけています。
下の表を見て下さい。
| 相関 | USD円 | CAD円 | NZD円 | AUD円 | GBP円 | EUR円 | CHF円 | EURUSD |
| USD円 |
1.00
|
0.23
|
-0.13
|
-0.12
|
0.30
|
0.12
|
0.20
|
-0.43
|
| CAD円 |
0.23
|
1.00
|
0.82
|
0.81
|
0.75
|
0.73
|
0.74
|
0.54
|
| NZD円 |
-0.13
|
0.82
|
1.00
|
0.97
|
0.84
|
0.89
|
0.87
|
0.89
|
| AUD円 |
-0.12
|
0.81
|
0.97
|
1.00
|
0.82
|
0.88
|
0.82
|
0.87
|
| GBP円 |
0.30
|
0.75
|
0.84
|
0.82
|
1.00
|
0.95
|
0.94
|
0.70
|
| EUR円 |
0.12
|
0.73
|
0.89
|
0.88
|
0.95
|
1.00
|
0.97
|
0.84
|
| CHF円 |
0.20
|
0.74
|
0.87
|
0.82
|
0.94
|
0.97
|
1.00
|
0.78
|
| EURUSD |
-0.43
|
0.54
|
0.89
|
0.87
|
0.70
|
0.84
|
0.78
|
1.00
|
※過去7年半(1998/9/1〜2006/2/1)の月足レートをもとに相関係数をEXCELにて算出(縦横どちらから見ても同じ)
ドル円の行をみると、相関が小さいところで0.12(豪ドル円、ユーロ円)、相関が大きいところで0.30(ポンド円)となっています(ユーロドル除く)。
その他の通貨はどうでしょうか。USD円以外の組み合わせは、0.7以上の高い数値となっています。
つまりカナダ円、ニュージーランドドル円、豪ドル円、ポンド円、ユーロ円、スイス円の中から選んだ組み合わせではリスク分散の効果は期待できません。
ドル円だけがどの組み合わせとも相関が小さく、リスク分散の効果が期待できるといえます。
ちなみに、ユーロドルについてはどうでしょうか。ユーロドルはドル円(-0.43)やカナダ円(0.54)とはあまり相関がなく、その他のものとの組み合わせは0.7以上で相関が大きいです。
次に、相関係数を算出する期間を変えてみます。上の例は、7年半という比較的長めの期間から算出しました。下の表は、過去3年間における相関係数です。
| 相関 | USD円 | CAD円 | NZD円 | AUD円 | GBP円 | EUR円 | CHF円 | EURUSD |
| USD円 |
1.00
|
0.32
|
-0.13
|
-0.16
|
-0.07
|
-0.02
|
0.18
|
-0.84
|
| CAD円 |
0.32
|
1.00
|
0.81
|
0.77
|
0.57
|
0.66
|
0.55
|
0.01
|
| NZD円 |
-0.13
|
0.81
|
1.00
|
0.92
|
0.78
|
0.75
|
0.55
|
0.44
|
| AUD円 |
-0.16
|
0.77
|
0.92
|
1.00
|
0.71
|
0.70
|
0.38
|
0.41
|
| GBP円 |
-0.07
|
0.57
|
0.78
|
0.71
|
1.00
|
0.81
|
0.70
|
0.43
|
| EUR円 |
-0.02
|
0.66
|
0.75
|
0.70
|
0.81
|
1.00
|
0.87
|
0.48
|
| CHF円 |
0.18
|
0.55
|
0.55
|
0.38
|
0.70
|
0.87
|
1.00
|
0.29
|
| EURUSD |
-0.84
|
0.01
|
0.44
|
0.41
|
0.43
|
0.48
|
0.29
|
1.00
|
※過去3年(2003/2/7〜2006/2/7)の日足レートをもとに相関係数をEXCELにて算出(縦横どちらから見ても同じ)
ここでも、ドル円だけが他の組み合わせとは相関が小さく、ドル円を除いた通貨ペアでの組み合わせは相関が大きくなっています。
つまり、ドル円と、その他どれかひとつの通貨ペアとの組み合わせだけがリスク分散の効果が期待できるといえます。
ちなみに、ドル円とユーロドルの相関係数は-0.84となっており過去3年間においてはほぼ逆相関の関係にあります。このためドル円の買いポジションとユーロドルの買いポジションを持っていると、為替変動は相殺されリスク分散の効果は高いです。ただし、ユーロドルはマイナススワップのため受け取るスワップポイントは少なくなります。
今回の調査からわかったことをまとめると、
- ドル円と他クロス円の組み合わせはリスク分散効果が高い。
- クロス円通貨同士は相関が高いためリスク分散の効果はない。
- 3年間および7年間において同じ傾向である。
ということになります。
次回はクロス円以外の相関も調べてみます。
知りたいです、機会がありましたら
調べてみてください^^
ちょくちょく遊びにきますね。
少し前から読ませていただいております。このリスク分散のエントリはとても勉強になりました。(次のクロス円以外のエントリも含めて。)どうもありがとうございます。
先ほど、当ブログでTBさせていただきましたので、ご挨拶がてら初コメント入れさせていただきました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
こちらの記事が大変参考になりしたので、私のサイトでご紹介させて頂きました。
勉強不足なのでこれからも参考にさせて頂きます。
TBをさせていただきました。
どうぞよろしくお願い致します。
ドル円買いと、ユーロドル買いがなぜ逆相関かというと、ご指摘の通り一方がドル買いで一方がドル売りだからですね。
ただしドルの変動が、円とユーロに対して同じように動くという前提があります。
この前提は期間によって結構変わりますので、記事を書いたときは当たり前だと思っていましたが、そうでもなさそうです(笑)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)















