分布を見たのが前回の記事でした。
今回はいくつかの通貨ペアについて、数値データを比較して特徴を見てみます。

期間:2003/1/1〜2006/8/31の約3年半
A,B,Cはわかりやすいと思います。
それぞれ期間中の為替レート最大値、最小値、平均値です。
ただし、この値だけを見ても実態がつかめないので
為替レートをヒストグラムで見るのが良いのでしたね。
D,Eはそれぞれ次のようなことを知るため目安になります。
D:一日の変動幅[Pips]のぶれの大きさ
E:一日の変動率のぶれの大きさ
ここでいう「ぶれの大きさ」とは標準偏差(σ)のことです。
標準偏差は統計的なデータの散らばり度合いを示します。
Eはよくヒストリカル・ボラティリティとも呼ばれます。
ボラティリティは文脈によっていろいろな意味で使われますが
Eは日次のヒストリカル・ボラティリティです。
(期間ボラティリティは後ほどで出てきます)
またσはリスクの指標としても使われます。σが大きいほど
ぶれが大きく、為替変動リスクが高いということです。
今回は、各通貨ペアの変動リスクをσで比較します。
なおDもEも正規分布に近い形をとることがわかっているので
標準偏差の性質から次のことが言えます。
・約68%の確率で±σに収まる
・約95%の確率で±2σに収まる。
たとえばドル円の日次変動幅σは0.651です。
一日の変動幅としては、約68%の確率で±0.65[pips]に収まり
約95%の確率でその2倍の±1.3[Pips]の変動幅に収まります。
また変動率σは0.58%なので、こちらも約68%の確率で±0.58%に収まり
95%の確率で±1.16%の変動率に収まります。
※完全な正規分布でないので数値は目安

実際にドル円(USD/JPY)とポンド円(GBP/JPY)を比較します。
Dの変動幅σは、ドル円の0.651に対してポンド円は1.106であり
ポンド円がドル円の約2倍になっています。
一方Eの変動率σをみるとドル円の0.58%とポンド円の0.56%は
ほぼ同じですね。
つまりポンド円はドル円にくらべて約2倍の上下幅をとっているが
変動率としては同程度ということです。これは為替レートの絶対値が
違うためです。
またドル円とNZドル円を比べてみると、NZドル円の変動幅σは
0.50でドル円より小さいのですが、変動率σはNZドル円が0.70%と
ドル円より大きいです。これはNZドル円の方が変動幅は小さいけど
為替レートとしては動きやすいということです。
通貨ペアの変動幅をみたいときはDをつかい、他と比べて
どれくらいの変動リスクがあるかを見たいときはEを使います。
絶対値で見るならD、相対値ならEということです。
これらは両方の数値を見ることでより通貨ペアの性質がわかってきます。
FXでは絶対値で見ることも重要です。
ところで、ヒストリカル・ボラティリティというと通常はある期間における
変動率として計算されます。
今回の期間は約3年半とっていますのでこの日数で換算した値も
参考までに示しておきます。変動幅についても同様に計算しました。
大小関係は日次のD,Eと同じです。

ということで、スワップ派が通貨を選ぶときのポイントを2回にわたって
解説してきました。これまでの内容をまとめておきます。
1)スワップが安定しているかを調べる→政策金利の推移
2)今の水準が安いのか高いのかを知る→ヒストグラム
3)下落幅のリスクを調べる→変動幅σ
4)他の通貨とリスクの大小を比較する→変動率(ボラティリティ)
5)通貨分散でリスク分散する→相関関係、相関係数
これらを考慮し最適な通貨ペアを選び出し、適切な時期にポジションを
増やしていくのが長期のFXスワップ戦略といえるでしょう。
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これからもスワップ派のための記事に期待しています
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Dの変動幅σは、ドル円の0.651に対してポンド円は1.106であり
恐れ入ります。上記について質問です
ドル円、ポンド円の変動幅の標準偏差は65PIPS、110PIPSと言うことですか。USD/CHFとGBP/CHFは0.865、0.976なので865PIPS、976PIPSということでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
どうやらCHFの単位が間違っていたようです!桁が2つ間違っていました。
よって、変動幅σは下記となります。
GBP/CHF: 0.00976 (97.6PIPS)
USD/CHF: 0.00865 (86.5PIPS)
あとで修正しておきます。ご指摘ありがとうございました!
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